「経常利益ランキング」の裏側を読む

皆様 おはようございます。

今日の日経新聞に上場企業の2010年4～12月期の連結決算が発表されていました。

それによると、連結の経常利益は、前年同期に比べて81％増えたとのこと。

詳しくは、日経紙面をご覧になって頂くとして、私が注目したのは「ランキング」とその中身です。

• 1位の「NTT」と2位の「NTTドコモ」は前年同期と同じ。3位は「ホンダ」、
  4位は「トヨタ」。5位「日産」、6位「三菱商事」、7位「ソフトバンク」、8位「日立」、9位「国際石開帝石」、10位「ＫＤＤＩ」。
   
• 「ホンダ」は、「トヨタ」の約半分の売上なのに、経常利益では「ホンダ」が「トヨタ」を上回っております。

なぜでしょうか？

• 7位（昨年も7位）に「ソフトバンク」が入って、「ＫＤＤＩ」は10位（昨年4位）。
  ｉｐｈｏｎｅの効果でデータ通信の収益が増えたとはいえ、売上高では大きな差があります。

なぜ、「ソフトバンク」の経常利益が「ＫＤＤＩ」を上回ったのでしょうか？

• 「日立」は、昨年は525億円の赤字で、ランキング外でしたが、今年は3,708億円の黒字で、一気に8位に浮上。「Ｖ字回復」を果たしました。
   
• ランキング外ですが、「日立」の売上の半分以下の「三菱電機」の収益も注目してください。圧倒的な利益性の良さが見受けられます。 

なぜなのでしょうか？ 

これらのことは、定期的に行われますセミナー（アクロス福岡）や、当社で開く「社長塾」、あるいは「再生塾」でいつもお話させて頂いております。

実は、これらの会社では「一定の原則」に沿って会社経営が行われているのです。あるいは、「大きく軌道修正」をされているのです。

「エコカー減税」や「エコポイント」が、自動車業界や電機業界、家電量販店に追い風になっていることは確かです。しかし、その中でも格差が生まれております。

• 「ホンダ」は得意な車種に絞って、北米では小型車のシェアが「トヨタ」を上回って
  います。ホンダが力を注いできた「Ｆ１」からも撤退を致しました。
   
• 「ソフトバンク」は、以前の「ボーダフォン」で電波が届かない地域がまだまだありますが、「ｉｐｈｏｎｅ」に集中して「一点突破」で強力なライバルがいる携帯市場で着実にシェアを伸ばしております。
   
• リーマンショック後、過去最悪の赤字を出した「日立」は、「選択と集中」を行い、
  一気に「Ｖ字回復」を果たしました。
   
• 「三菱電機」は従来より、得意な分野に集中したため、リーマンショック後に大手電機
  各社が赤字の時に、唯一黒字を維持しました。
  「ディーガ」という携帯を私も使っていましたが、携帯電話からも撤退しました。
  洗濯機も製造を中止しました。
   
• ランク外ですが、家電量販店の「ケーズデンキ」の経常利益は２倍に迫り、過去最高を
  更新しました。
   
• 同じくランク外ですが、関西の家電量販店「ジョーシン」は、関西に店舗が集中して
  いますが、全県に店舗を有する「コジマ」に肉薄しております。当然利益率も良好です。

これらは、大手の企業ですが、「ある法則」に照らせば全て説明がつきます。

３年前に、秋葉原で大手家電メーカー様を対象に講演をさせていただきました。
その時に、「これから伸びる家電量販店はこの３社です」とお話をさせていただきましたが、まさにその通りに推移しております。 

これらの「原理原則」を踏まえて、私たち中小企業が取るべき「戦略」とは？

毎月、定期的に当事務所にて「社長塾」、またはランチェスター経営様で「再生塾」をさせて頂いております。

良かったらお越し下さい。

意外とシンプルに、頑張らなくても利益が生まれて、会社も良くなり、社員も生きがいを持って働ける会社ができます。