「ヨドバシ」の一人勝ち？（福岡の家電量販店）

平成20年12月22日

先週末は、福岡市内の家電量販店を中心に視察を行った。

ヤマダ電機のテックランド福岡志免本店が12月12日にオープンして1週間。

やや天候不順の中を市内および近郊の家電量販店を視察した。 

土曜日に、まずは市内天神のベスト電器福岡本店とビックカメラ天神1号館を

視察。ベスト電器の福岡本店は、ベストの旗艦店ですが、客数も少なく、店内も

活気が感じられない。以前は店頭で餅つきをしたりして随分と活気があったの

ですが。歳末セールの飾りつけもちょっと弱いようだ。土曜日の午後7時過ぎで

あったが、客数はまばらで、テレビ売場、パソコン売場にもお客様がいない。

いても年配者が多い。地元の企業としてもう少し頑張って欲しいのですが、、、

一方、8時過ぎに入ったビックカメラは、この時期にしては、客数は明らかに

少ないが、パソコン売場では数組が商談をしていた。店内の飾りつけと賑わい

ムードは出ていた。客層も２０〜３０代の男女が多く、年配者も見受けられた。

時間が無く、2号館の方は見れなかった。

次の日の日曜日は、かつての上得意様で今でも個人的な付き合いがある

志免在住のＭ様の案内で、コジマ、ヤマダ電機の新店へ。

天気が悪く、小雨が降ったり止んだりの状態であった。まずは、博多駅から

近いコジマで待ち合わせをした。コジマは１階のピロティーで特産品の販売を

したりして、地元のお客様を中心に集客していた。近くにヤマダがオープンした

割には、そこそこの客数を確保して健闘していた。

そして、いよいよ今日の本命のヤマダ電機ですが、客数は思ったほどでもなく

駐車場の待ち時間も数分（５，６台）でした。店舗規模は約２０００坪位でしょうか？

１階のピロティーに駐車して２階に上がると、なんとレジに並びがほとんどありません。

店内を見てみると、まず入って右手にブランド品コーナーがあるが、従来のテックランドに

比べて明らかに狭い。一方、その次に続く「生活雑貨」「食料品」「医薬品」のコーナー

こちらは２００坪前後取っている。そして、いよいよメインの家電売場であるが、ここでも

売場作りを試行錯誤している感がある。展示什器を今まで以上に極力低くして、店内を

見渡せるようにしている。柱には大項目による分類、また中項目の案内はコーナー

サインで、約２０００坪の店内が一目でわかる。書籍のコーナーも大きく取っており、

それに続くホビー（ゲーム）、ソフト（ＤＶＤ、ＣＤ）、最後に携帯コーナーがあるが、

この流れは非常に良い。
 

しかし、携帯コーナーはかつての広さは無く、これからの伸びが

期待できない部門は思い切って縮小をしている。ただ、ちょっと見にくいレイアウトに

なっている。全体的にオープン第２週にしては少ないようだ。最近は、LABIに力が

入って、郊外店は今までの勢いを感じない。

その後、視察したヨドバシカメラは、この時期にしては少ないのですが、はっきり

言って一人勝ちの状態です。それは、まずは客層が良いこと。今日は駐車場まで

見れなかったが、明らかに駐車している車の車種が違います。次に、店内の賑わい。

この演出はここがナンバーワンでしょう。そして、品揃え。これは、一般のお客様の

目からしてもすばらしいが、元バイヤーの目からしても明らかに上手い。

マーチャンダイジングに一貫性があります。お客様が疑問に思うことに対する答えが

ＰＯＰで訴求され、比較POPが必要なところにあり、店員の配置も計算尽くされて

いる。これは、以前から言っているように、ディスプレイ、商品知識、POP作成などの

勉強会を長年やってきたから出来ること。当分この勢いは止まらないでしょう。

１００円パソコンの演出とブロードバンドのインセンティブ獲得に関しても、ヨドバシが

一番でした。メーカー社員の派遣に関しては、オープンのヤマダ電機とヨドバシに

どうしても力が入っているようでした。

新幹線が開通して、博多駅に阪急百貨店が入るといよいよ福岡の家電量販店の

勢力図も塗り換わってきます。そして、郊外店はイオンモールを中心にしたヤマダが

有利になります。

天神のベスト電器本店とビックカメラ２店の動向が気になります。業務提携をして

天神で３店舗で営業を続けるのか？

それとも？？

今年のボーナス商戦は、消費不振から家電量販店は軒並み厳しい結果となって

いますが、戦略が明確で、基本をしっかり押さえた企業が生き残ってゆくでしょう。

以上